金沢の方言

 

転勤や旅行で金沢に来た人がとまどい、驚く金沢人の言葉。
東北弁や九州弁ほどではないが、関西弁や名古屋弁でもない。金沢あるいは北陸は日本列島の中央部にあり、東日本と西日本の境目あるいは重なるところで、風習や食べ物と同様に、言葉も西と東の間で特異な地域だ。
例えば、東日本での『ばか』という言葉は、西日本では『あほう』だが、
石川・富山両県だけ『だら』になってしまうのだ。
語尾が関西系の「や」なのに、「橋・足・雪」などのアクセントは東日本系(金沢の西から西日本系)とややこしく、県外人を悩ます。

方言の一例

あいそむない ものたりない
あったらもんな もったいない
あんやとございみす ありがとうござます
うまそ(い) たくさん・おおげさな
おきのどくな ありがとう・すみません
かなしい はずかしい
がんこな すごい・たくさんの
しまっし(ま)いくまっし(ま)みまっし(ま) しなさい(よ)行きなさい(よ)見なさい(よ)
じゃまない だいじようぶだ
だいばらや たいへんだ・一大事
だちゃかん(らっちゃかん) ダメだ
ちゃべ/ちゃわ おしゃべり/あわてもの
なごなる 横になる・寝そべる
ほぅや/ほや そうです/そうそう
まいどさん こんにちは
りくつな おもしろい・人のいい

 

りくつな
理屈という゜文字とは関係なさそうだ。「おもしろい」とか「人がいい」という意味で使われる。ときには「親切な」とか「便利な」のニュアンスもある。
「こりゃまん、りくつなもん、もろて、あんやと」
と言われたら、心から喜んでいただいたと、言っていいだろう。

 

気の毒な
文字どおり「気の毒な」と同情されたように思われやすい。誤解度ナンバーワンの金沢言葉だ。
まぁ、共通日本語の「すみません」も外国人には不思議だろうから、似たもの同士でしょうか。金沢に引っ越してきて、お隣りへ手土産を持って挨拶したら、
「あーら、気の毒な。ほんな、気ぃつこわんこっちゃ」で!??

 

 
どくしょな人』『ほうねんちゃ
初めて聞く人は頭をかしげる。ドクショな人って「読書家」? と思えば、さにあらず。 「りくつな」の反対で、全然ダメな、気のきかない、頼りがいのない・・・・・・要するに役たたずで「情けない人」という意味である。
金沢の「ほうじ茶」は香り高く、ユーミン(荒井由美)などファンが多い。しかし「ほうねんちゃ」は豊年茶ではなく、「そうなんですよ!」の意味。