春の行事

3月

犀星忌

「うつくしき川は流れたり・・・・・・」とうたった室生犀星犀川の近くで生れ育ち、詩人作家として活躍した。犀川大橋のたもとの雨宝院や流し雛を形どった文学碑、野田山墓地の墓などで命日の3月26日(犀星忌)に、句会や墓参などがおこなわれる。

彼岸会

春分、秋分を中日として前後3日づつの7日間を彼岸という。 彼岸とは梵語「波羅密多」の訳語で、煩悩のこの世を離れ悟りの境地に達すること。 仏教の盛んな当地では野田山卯辰山など墓参りの人も多い。

4月

浅野川園遊会

古い町並と生活習慣などが今も大切にされる浅野川界隈。 泉鏡花が描いた「滝の白糸」の芸者の水芸を再現し、川辺の浮舞台を中心に華やかな催しが展開される。 茶屋街の芸こさんらが祭りを彩る。

潅物会(かんぶつえ)

4月8日は、お釈迦様の誕生日で、潅物会または仏生会などと呼ばれる行事が金沢市内の多くの寺院でおこなわれる。花御堂に誕生仏をまつり、甘茶をそそぐ。花まつりともいう。

蓮如忌

浄土真宗の中興の祖といわれる『蓮如上人』の遺徳をしのぶ仏事だが、真宗王国といわれる当地では、蓮如さんと呼び、野山で団欒を楽しんだ。

人形供養

金沢市東山地区卯辰山の麓で数多くの寺院が並び建つ。 卯辰鬼子母神さんとも呼ばれる日蓮宗の真成寺では、各家庭で使い古したり壊れた人形を持ち寄り、仏前で供養する。インドで子供を食う鬼が釈迦の教えで改心し守護神になった鬼子母神を祀る。

5月

神事能

金沢市寺中町大野湊神社は昔、宮腰(金石)の海岸近くにあった古社で、日本海の侵食で現在地に移された。境内には能舞台があり、5月にここで奉納される能楽は『寺中の神事能』と呼ばれる珍しいお祭りです。

加賀友禅祭り

金沢で数多く作り続けられる伝統工芸。 なかでも代表的で華やかな加賀友禅は、江戸時代に宮崎友禅斎によってはぐくまれた。その遺徳をしのび、金沢市東山の竜国寺に作家や染色業者が集まり供養や茶会が催される。

 

金沢と周辺の春祭り

雪国の春は明るく美しい。金沢市内の各神社の春祭りは、鍛冶八幡宮(4月)から、あぶり餅で親しまれる神明宮(5月15−17日)までの間を中心に催される。能登や高山ほど豪華な山車など見られず簡素な祭りだ。

世界凧の祭典(内灘町)

鳥取砂丘と並ぶ内灘砂丘は植林によりアカシア林に姿を変えた。ここ内灘砂丘の新しい名物にと世界各地の凧上げを競う凧の祭りが始まった。

九谷茶碗まつり(寺井町)

日本の代表的な陶磁器のひとつに『九谷焼』がある。 その発展につくした先覚者・斉田道開九谷庄三をしのび寺井町で催される祭り。 九谷太鼓打ちや陶芸展などのほか、九谷焼窯元の多数が出店する特設店が並び、高級品や日曜雑貨の廉売市が人気を呼ぶ。

青柏祭(七尾市)

祭りの盛んな能登の代表格。高さ12メートル、重さ20トンの巨大な曳山が3台も町を練り、大地主(山王神社)に一泊する。クギを使わず縄やソネで組み立て、歌舞伎人形が飾られる。一名『デカ山まつり』と称されている。

お旅まつり(小松市)

石川県第二の都市・小松の祭りで青柏祭(七尾市)三国祭り(芦原町)とともに北陸最大祭りの一つ。豪華な曳山の上で演じられる子供歌舞伎が呼び物で、秩父や長浜とともに全国的にも有名である。莵橋神社日吉神社の祭り。

おかえり祭り(美川町)

藤塚神社の男神が年に一度、美川町平加町の安産日吉神社の女神と浜の仮殿で逢う瀬を楽しまれる。ラッパ隊を先頭に町を練った神輿と山車は仮殿で夜を迎え、早朝、本社へ帰途につく。帰り筋の家々は玄関を開放して知人友人らを盛大にもてなす。