金沢の味覚

海と山に囲まれた町・金沢。四季を通じて生れる自然の恵みが百万石の味処を作り出す。そこにあるのは城下町の心意気と洗練された茶の湯の美意識。加賀の歴史と風土がそれを彩り、受け継がれる老舗の技が巧みに織り成す食の饗宴。

加賀懐石料理

粋と豪華、気品に満ちた加賀懐石料理。一般的には正式な饗膳での「酒席の料理」を指すようである。お酒が進むにつれて山海の幸が流れるように供されます。

じぶ煮

その名の由来に様々な説がある『じぶ煮』は、金沢に古くから伝わる郷土料理です。鴨や鶏の肉に小麦粉をまぶし、四季の野菜やすだれ麩などと一緒に煮込んだものです。

かぶら寿し

金沢の冬の名産品『かぶら寿し』は、かぶの厚い輪切りに鰤の切り身を挟んで麹漬けにしたもの。元は冬の間の保存食だったということで、金沢人の智恵がここにも見られます。

名産品

味どころ金沢にはお土産に最適の名産が多く、代表的なものには、ゴリの佃煮鬼くるみの甘藷煮、巻鰤、フグの糠漬け・粕漬け、金沢の冬の名産・かぶら寿しじぶ煮に入れる金沢独特のすだれ麩など、どなたにも喜ばれる名産品ぞろいです。

お茶

お茶は金沢では江戸時代から盛んに行われ、藩主をはじめ身分ある武士や町人は皆、茶道をたしなんでいたとか。今もおもてなしや語らいの場にお茶は欠かせません。

日本酒

清らかで豊富な水に恵まれた金沢は日本酒の宝庫。中世から天下の銘酒と称された『加賀の菊酒』の伝統が今日まで受け継がれ「酒どころ」の名を高めています。

和菓子

茶の湯が盛んだつたことから生れた多くの銘菓。四季折々の風情を表現した加賀の和菓子は色、形、味わいともに上品で、現在でも多くの老舗で洗練された菓子が作り続けられています。

金沢文学

藩政時代よりの連錦と情緒。折々の自然が醸す風情と相まって、独特の文化を生み出してきた金沢。多くの文豪がこの地に生を受け、より多くの文人がこの地を愛してきた。
川のせせらぎ、艶めいた紅殻格子・・・・・・・・
幻想的な叙情の世界が今でもこの町に残されている。

泉 鏡花

父は象嵌細工の工芸家、母は鼓の名手といつた芸術家の流れを継いで生れた鏡花は、伝統美に彩られた金沢の土地柄を最も強く表現した作家でしょう。
上京して尾崎紅葉の門下生として歩み始め、数々の作品を世に送り出しました。金沢を舞台にした作品「義血侠血」は無償の愛に殉じた女「滝の白糸」の名で知られ、新派十八番の一つになっています。その他の代表作として「照葉狂言」「高野聖」などがあげられます。

室生 犀星

犀川近くの武家屋敷に生れた犀星は幼い頃に近所の雨宝院へ預けられ恵まれたとは言えない幼年時代を過ごしました。句作から文学の道を歩みだした彼の出世作「性に目覚める頃」は金沢を舞台にした作品です。続いて「蒼白き巣窟」「美しき氷河」などを発表し、得意な感覚的表現が注目され、作家としての名を高めました。代表的な作品として「あにいもうと」「杏っ子」などがあります。

徳田 秋声

自然主義文学の代表的作家として有名な秋声は浅野川近くに生まれ、文学を志して上京し尾崎紅葉の門下に入りました。
処女作「藪柑子」で名を挙げ、鏡花と並んで紅葉門下の四天王の一人に称された秋声は、やがてその代表的作品「徽」をはじめ、「町の踊り場」「縮図」なと゜多くの作品を世に残しました。その中の一つ「挿話」はひがし茶屋街を舞台にした短編で味わい深い一策となっています。

その外の金沢ゆかりの作家

島田 清次郎 金沢市出身。 大ベストセラーとなった「地上」を発表。天才作家と呼ばれた。
尾山 篤二郎 金沢市出身。 室生犀星と幼少時代から親交があった。「さすらい」「秋の郷愁」など。

杉森 久英

七尾市出身。 島田清次郎の生涯を書いた「天才と狂人の間」で直木賞を受賞。

五木 寛之 「朱鷺の墓」 「ステッセルのピアノ」 「金沢望郷歌」など金沢を舞台にした作品が多い。
中原 中也 金沢に住んでいたことがあり、その時の様子を「金沢の思ひ出」に執筆。

 

兼六園・金沢城周辺の散策

 

兼六園

加賀百万石・前田藩の庭園として造られた特別名勝・兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに、日本三名園の一つに挙げられます。ほぼ現在の姿に造園されたのは13代藩主斉泰の時代で「兼六園」の名勝もその頃に定められました。その名は中国宋代の詩人・李格非が書いた「洛陽名園記」に由来し、宏大・幽寧・人力・蒼古・水泉・眺望の六つを兼ね備える名園として時の老中松平定信が命名したと伝えられています。
冬の風物詩・之吊りや梅苑の紅梅白梅など四季折々の自然と、代々の藩主たちによる絶え間ない築庭の妙が織り成す景観は、屈指の美しさと雄大さを生み出しまさに金沢の顔に相応しいといえる名勝です。

金沢城石川門

石川郡の方を向いていたことからその名がついた石川門は金沢城跡の東に位置する重要文化財です。
平成6年まで城内は金沢大学のキャンパスであり、現在は金沢城址公園として開放されています。
宝暦9年の大火によって全焼しましたが、11代藩主治脩の代に再建され、その後修理等を重ねて現在の姿になりました。豊かな緑の中、百万石の風格を漂わせるその堂々たる構えと、夜のライトを浴びた幻想的な姿が印象的です。

成巽閣(せいそんかく)

13代藩主斉泰が母・真竜院のために建てた成巽閣は国の重要文化財に指定される貴重な建築物です。
一つの建物に書院様式と数寄屋風書院造りが組み込まれ、藩家の格式と女性らしい繊細さが溶け合って華麗な空間を作り上げています。

西田家庭園(玉泉園)

自然の地形を利用して造られた玉泉園は、兼六園の木立を借景にした回遊式の雅趣に満ちた茶庭です。
加賀藩士脇田直賢より4代に渡って手がけられ、庭では直賢の植えた朝鮮五葉松が大きく枝をのばしています。

金城霊澤(きんじょうれいたく)

この湧泉は、かって芋堀藤五郎という男が芋を洗ったところ、砂金が出てきたことから「金洗いの沢」と呼ばれました。そこから「金沢」という地名が生れたと言われています。

石川県立能楽堂

金沢の芸能を代表する課が加賀宝生能。宝生流の能には300年以上もの伝統と歴史があり、その舞台となる能楽堂では伝統芸能の錬成、能楽師の育成のほか芸能講座や子供の謡教室などの活動を積極的に行っています。

石川県立伝統産業工芸館

工芸王国と称される石川には加賀友禅、輪島塗、九谷焼をはじめ、多くの伝統工芸が受け継がれています。伝統産業工芸館ではそれらの工芸品や製作道具、製作過程などが常時分りやすく展示されています。

石川県立美術館

国宝色絵雉香炉など石川県ゆかりの古美術品から現代作品までが幅広く展示されている県立美術館では、内外の優れた芸術家や作家の展覧会が、随時開催されています。

金沢市立中村記念美術館

酒造業を営む中村家の美術収集品が収められている中村記念美術館。茶道の名品を中心に加賀蒔絵、古九谷など重要文化財を含むコレクションの逸品を目にすることができます。

石川県立歴史博物館

かって陸軍の兵器庫、戦後は金沢市立美術工芸大学(創立時は短期大学)の校舎として使われていた赤レンガ棟がレトロな印象を醸し出す歴史博物館。充実した展示内容もさることながら、明治・大正期の代表的な洋風建築は一見の価値があります。

藩老本多蔵品館

加賀藩筆頭家老の本多家伝来の武具や調度品など1000点余りの所蔵品が展示されています。なかでも「村雨の壷」は本多家随一の家宝の品で、五万石の家禄と引き換えに藩主から拝領したと伝えられています。

金沢市民俗文化財展示館

先人が毎日の暮らしのなかで使っていた道具や民具。そこには祖先のたくましい創造力、文化、歴史が伺えます。当展示館では時代の移り変わりと共に姿を消していくそれらの民俗文化を集めて保存、展示しています。

金沢市立ふるさと偉人館

金沢にゆかりの深い偉人5人を中心に、彼らが生まれ育った金沢の自然や歴史などの背景、人物像、業績などを分りやすく紹介しています。いろいろな映像機器やグラフィックパネルを使ったユニークな展示館です。

本多の森公園

加賀藩藩老本多家の屋敷跡地周辺の、美術館や能楽堂など文化施設が集まる中に、緑あふれた安らぎの空間・本多の森公園があります。レンガの遊歩道を歩けば、自然と文化が調和した金沢特有の趣深さを感じさせます。

美術の小径

石川県立美術館から中村記念美術館へと続く散策路です。徒歩で約3分の短いコースですが、辺りを覆わんばかりの緑の木陰や、時折目にする彫刻の動物たちが迎えてくれる落ち着いた小径です。

白鳥路

石川門下から大手堀方向へと続く白鳥路は、大手堀近くに白鳥の像がたたずむ散歩路です。天然の緑のトンネルの下を歩いて行くと金沢ゆかりの三文豪の像をはじめ、いろいろな彫刻と出会うことができる彫刻の小径となっています。

加賀友禅伝統産業会館

石川の伝統工芸の一つ、加賀友禅が展示、即売されています。職人の染色実演や製作工程の説明ビデオなどの他に、友禅染め体験コーナーがあり、30分くらいで自分だけのオリジナル染め物を作ることができます。

石川県観光物産館

石川県内の老舗の技と味が一堂に集まった石川県観光物産館では、伝統工芸品、和菓子、地酒等が常時展示、即売されています。また観光案内所が設置されています。

香林坊・片町・長町周辺の散策

長町武家屋敷跡

長町界隈は、かっての藩士が住んでいた屋敷跡であり、土塀の続く町並みの中では今も市民生活が営まれています。石畳の小路を散策すれば、当時の雰囲気がしのばれます。

野村家

武家屋敷跡の中で公開されている野村家では、代々奉行職を歴任してきた藩士の格式を重んじた様式が見学できます。狩野派の画人佐々木泉景による山水画をほどこした襖など文化財的な評価も高い屋敷です。

鞍月用水・大野庄用水

犀川を水源として長町を包むように流れる二つの用水は、古くから人々の生活の場で重要な役割を果たしてきました。水の町・金沢の一隅で、昔と変わらない情緒と風情を今もそのせせらぎの中に感じることができます。

金沢市老舗記念館

天正7年開業の薬舗「中屋」を移築したこの記念館は藩政時代の面影を今に伝える建物です。
1階には当時の店先を再現した「みせの間」があり、2階には金沢の伝統産業、町民文化に関する資料が展示されています。

彩筆庵

大正時代の建物を利用して加賀友禅の工房を構えている彩筆庵では、加賀友禅の下絵から彩色までの実演を見学することができます。金沢の伝統工芸に身近に触れることができるスポットの一つです。

尾山神社

五彩のギヤマンが目を引く正面のエキゾチックな三層楼門は和洋折衷の造りで重要文化財に指定されています。琵琶などの古楽器をかたどった島や橋が配された池泉回遊式神苑や、元は金沢城の二の丸の門だった両唐破風の東門などが見どころとなっています。

中央公園

金沢の都心近くの中央公園は緑あふれる憩いの場として親しまれています。美しい芝生が広がる園内には彫刻などの他に全国から15の都道府県の木を集めたユニークな「古郷の森」があり訪れる人のオアシスとなつています。

香林坊・片町

金沢の中心地、香林坊・片町では、おしゃれなファッションビルやお店が建ち並び、金沢ならではの味所が所せましと軒を並べています。昼はショッピングの人で振わい、夜になれば明るいイルミネーションに彩られるこの界隈は北陸最大の繁華街です。

石川近代文学館

中央公園で落ち着いた佇まいを見せている石川近代文学館は、旧四高の校舎を利用した赤レンガのモダンな建物です。三文豪をはじめ郷土にゆかりのある作家の著書や生原稿、遺品などの資料が展示されています。

金沢市足軽資料館

藩政時代の貴重な足軽屋敷2棟を移築再現したもの。建物の中は、足軽の職務や日常生活の解説・展示かなされており、屋根は昔ながらの石を置いたもので、当時の雰囲気をかもし出している。

旧加賀藩士高田家跡

藩政時代の長屋門を修復し、一般公開している。敷地内には見事な池泉回遊式庭園を配し、藩政時代の面影を残す。

武蔵ケ辻・尾張町・金沢駅周辺の散策

 

近江町市場

藩政時代に始まって以来250年もの間、金沢の食文化を支え続けてきた市民の台所、近江町市場には魚、エビなど活きのいい海産物をはじめ、青果、干物から日用品、衣料品まで様々な店が200余店も並び、道の両側から「安いよ!」「おいしいよ!」と威勢のいい掛け声が飛び交います。昼、夕方の買い物時になれば、主婦はもちろん、会社帰りに立ち寄った人や観光客でとても振るわいます。

尾崎神社

朱塗りの色彩も鮮やかな尾崎神社は四代藩主光高公が徳川家康をまつって建てた神社です。北陸の東照宮と呼ばれる由縁は、豪華な権現造りの朱塗りの社殿。その社殿をはじめ、中門、透塀などが国の重要文化財に指定されています。

寺島蔵人邸跡

多くの武家屋敷が残されている尾張町界隈で一般公開されている寺島蔵人邸跡は、当時の面影をしのばせる風格あるたたずまいを見せています。武士ながら文人・画人でもあった蔵人自身の作品なども展示されています。

旧園邸。松向庵

大正時代の趣を今に伝える旧園邸。金沢市の文化財に指定されているこの屋敷は、数寄屋風の造りとなっており、茶会用に貸出されています。

主計町(かずえまち)茶屋街

古き良き時代の情緒あふれる古都・金沢。
その頃の風流なたたずまいがそのまま姿を残している町、それが主計町です。かって遊郭が置かれていたこの界隈では昔ながらの料亭や茶屋が立ち並び、今でも夕暮れ刻になるとどこからともなく三味線の音が聞こえることがあります。浅野川の水面に揺れる軒灯の光が道行く人の風情を誘います。

金沢駅周辺

北陸の玄関口としてめまぐるしい発展を遂げてきた金沢駅。
近代的な高層ビルやシティホテルが立ち並ぶ一方、裏通りに入れば旅館や寺院などが点在し、歴史の側面にも触れることができます。

 

尾張町周辺

加賀藩藩祖前田利家が出身地の尾張から呼び寄せた商人たちが住んだのが尾張町です。情緒あふれるたたずまいの中、昔ながらの古趣に満ちた商店が軒を並べて藩政以来の城下町風情を醸し出しています。

町民文化館

明治時代の趣を今に伝える町民文化館は、県文化財に指定されているアンティークな雰囲気の建物で、館内では当時の町民の生活用具や調度品、若手作家による工芸作品などが常設展示されています。

久保市乙剣宮

金沢を代表する文豪の一人・泉 鏡花ゆかりの神社ともいえる久保市乙剣宮は、鏡花の生家が近くにあったこともあり、幼い頃の鏡花の遊び場だったようです。境内には鏡花が詠んだ歌碑が残されています。

東山・卯辰山の散策

ひがし茶屋街

卯辰山麓を流れる浅野川の川岸には、今でも紅殻格子の風情のある古い町並みが残り、昔の面影をとどめています。灯ともし頃にもなれば、今でも軒灯がともる茶屋から三味線や太鼓の音がこぼれてきます。五木寛之著「朱鷺の墓」の舞台としても知られています。

大樋美術館(十代大樋長左衛門窯)

代々加賀藩の御用窯を努めてきた330年もの歴史を持つ大樋焼。館内には初代から現代に至る歴代の名品が展示されています。また隣接のギャラリーではここでしか求められない当代の作品などの展示即売も行われています。

観音院

およそ250年にわたり神事能が催されてきた古刹・観音院は、安産の十一面観音を本尊にまつった真言宗の寺院です。石段を登った高台にあり、金沢市を一望することができます。眼下に広がる瓦屋根の美しさは格別です。

竜国寺

加賀友禅の祖・宮崎友禅斎ゆかりの寺、竜国寺。
庭園には友禅斎のものと伝えられる墓や句碑があり、それにちなんで友禅染め関係の諸行事が行われます。寺宝も友禅斎に関するものが多く、呉服関係の参拝者が多い寺院です。

卯辰山麓寺院群

藩政時代に真宗と他宗に分けて寺が配されたなごりがここ卯辰山麓では見られます。寺院の数はおよそ50にものぼり、それぞれの歴史を持つ古刹には金沢伝統工芸の祖やゆかりの人々の墓が置かれ、静かに時の流れを刻んでいます。

梅ノ橋

犀川の桜橋に対してその名がついたともいわれている梅ノ橋は、歩行者用に掛けられた情緒ある橋です。付近は泉 鏡花の出世作「義血侠血」の舞台にもなっており、作品にちなんだ滝の白糸灯も建てられています。

懐華楼

170年以上も前の茶屋を修復した懐華楼は、情緒漂うひがし茶屋の中程にあります。朱塗りの階段や草木染めの畳など一部デフォルメも加え、当時のあでやかな風情と雰囲気を演出しており、映画やテレビドラマの撮影でも使用されました。

志摩

格式高い料亭が並ぶひがし茶屋街の中で金沢市文化財として指定されている志摩。町屋とは違う茶屋独特の造りで、透かし模様の手すりや三味線の音が響きやすい吹き抜けの構造が郭ならではの面影を残し、控えめながら粋な風情を堪能できます。

金箔の町、金沢

全国の金箔生産量の98%を占めている金沢には、金銀箔の工芸品を取り扱っている店が多くあります。
華やかな雰囲気の店内には、皿・テレホンカード等バラエティに富んだ商品が並び、箔打ちの工程も見学できます。

金沢卯辰山工芸工房

金沢卯辰山工芸工房は金沢市制百年を記念して建てられた伝統工芸施設で、近代工芸品や伝統工芸の工程などが展示されている展示棟と、研修生たちの創作活動などが見学できる工房棟からなっている。

宗桂会館

日機装(株)金沢製作所の敷地内にある記念会館で、名工・山川孝次の加賀象眼の作品を中心に展示するコーナーと、日機装のハイテク技術が駆使された製品・システムを展示するコーナーとで構成されています。

卯辰山公園

金沢市街を一望する卯辰山麓に広がる卯辰山公園。数多い記念碑や文学碑も一見の価値がありますが、特筆すべきは望湖台からの眺望で、晴れた日には日本海が見えることも。夜景も美しく、人気のスポットになっています。

浅野川

どことなく繊細な情緒がある浅野川は別名「女川」と呼ばれ、界隈に金沢らしい風流を漂わせています。毎年桜の頃にはせり出しの浮舞台で「浅野川園遊会」が華やかに行われ、水芸や歌、踊り、能楽などが優雅に繰り広げられます。

滝の白糸像

泉 鏡花の出世作「義血侠血」のヒロイン・滝の白糸の姿をかたどった像が浅野川中程の河畔にひっそりとたたずんでいます。物語は水芸役者の滝の白糸と書生・村越欣也との悲恋物語で、美しさの中にどこか悲しさを秘めた銅像の表情が胸を打ちます。

三味線の福嶋

1階は三味線の売り場、2階では職人の三味線作りの工程を見ることができます。また奥座敷には三味線の譜面が用意されていて初心者が体験できるスペースが用意されています。

野町・寺町界隈の散策

にし茶屋街

金沢の情緒が色濃く感じられる3つの茶屋街の一つ、にし茶屋街では、今でも料亭が軒を並べて趣ある一角を作り上げています。夕刻近くに通りを行けば、紅殻格子の2階建ての町並みからは三味線の音色が流れ、芸の町・金沢の夜を粋に演出しています。

金沢市西茶屋資料館

20才のときに「地上」を発表し一躍時代の籠児になった島田清次郎。彼が青年期を過ごした「吉米楼」跡に建てられた、この資料館は茶屋家屋の外観を再現したもので、清次郎に関する資料を中心に、茶屋で演じられる伝統芸能の雰囲気が味わえます。

寺町寺院群

かって一向一揆の折、警戒した加賀藩では一向宗寺院を城のお膝元に置き、それを囲むように他宗の寺院を配しました。寺町寺院群には、樹齢400年近い桜がある松月寺や、室生犀星ゆかりの雨宝院などが続いています。

犀川

豪快な流れから「男川」と呼ばれる犀川は、金沢の文豪・室生 犀星がこよなく愛した川で、詩集にも「美しき川は流れたり」と詠んでいます。

九谷光仙窯

九谷窯元である九谷光仙窯では、土の調合から上絵付けまで一連の作業工程を見学することができます。また自分で絵付けができるコーナーもあり、オリジナルの作品が作れます。

金沢市郊外周辺の散策

加賀友禅館

加賀友禅館では加賀友禅の製造工程が見学でき、友禅染めの体験教室などがあります。館内のお祭り広場では勇壮な加賀鳶ショーを楽しめます。

天徳院

徳川家康の孫娘で前田利常の正室、珠姫の菩提寺です。24歳でこの世を去った珠姫の生涯を描いたカラクリ人形劇「珠姫・天徳院物語」が毎日上演されています。天徳院という寺名は珠姫の法名に由来しています。

石川県銭屋五兵衛記念館

幕末の日本海を舞台に、この地で劇的に駆け抜けた海の豪商・銭屋 五兵衛の生い立ちから全盛期を経て晩年に至るまでの波乱に満ちた生涯をシアターや模型などで、追体験できます。

銭五の館

現存する銭屋本宅の一部を移築した館内には、五兵衛をはじめ、銭屋一族ゆかりの品々を展示しています。

醤油・味噌蔵の町 大野

藩政期からおよそ350年以上も加賀百万石の味を支えてきた醤油の町・大野。かってこの地の商人が紀州から醸造技術を持ち帰ったのがその始まりともいわれています。

大野からくり記念館

幕末期に大野に住んだ、からくり師・大野弁吉の作品を中心に、日本のからくりの歴史などが展示されます。科学に対する親しみと面白さを感じることができる記念館です。

バラ園

色とりどりの薔薇の立体アーチやスクリーンが美しいバラ園。毎年開花の季節にはロマンチックに訪れる人を出迎えます。

大乗寺・前田家墓地

加賀藩前田家の代々の藩主らが眠る野田山は斜面一帯が広大な墓地になっています。中腹の閑静な林には、曹洞宗の古刹・大乗寺があります。

いきいき魚市

金沢港で水揚げされた魚介類が並ぶ「いきいき魚市」。あちこちで飛び交う威勢のいい掛け声と、安くて新鮮な魚に、ついつい手が出ます。

以上、金沢市観光課発行資料より引用しました。

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