禁煙のすすめ パスト会長  村田祐一  


タバコの真実 臨時編その1

中国大陸から環境汚染物質PM2.5が偏西風に乗って日本を汚染することが話題になっています。
特に春先は黄砂、スギ花粉との相乗作用で花粉症や気管支喘息など健康を害する人が増えます。
不思議とスギの林でお仕事をされる樵さんには花粉症は少ない。
山は空気がきれいなのに対し都会は排ガスなどの環境汚染物質が多いためです。
普段から都会に住む人の呼吸器表面は障害されているのに対し、樵さんは呼吸器表面が障害されていないからです。
呼吸器表面が障害されていると環境汚染物質PM2.5が付着し易く、症状をひき起こします。
日本の環境基準ではPM2.5は35μg/m3以下と低く抑えることが求められています。
このPM2.5は実はたばこの煙にも大量に含まれています。
図をご覧ください。
窓を閉めた車の中、居酒屋での喫煙行為は周囲の人々を巻き込み北京の悪環境と変わりません。
これら居酒屋などでお仕事をされている方々の健康にも悪影響を及ぼしています。
吸いたい時にあたりかまわずタバコを吸っている方は中国と同罪です。
この際きっぱりと喫煙されるのが一番いいのですが、
どうしても吸いたくなったら、少し席を外して迷惑のかからないところで吸いましょう。
 
図は日本経済新聞から転用しました。

PM2.5濃度と健康への影響

緊急事態
251〜)

一般の人々の呼吸器に重い症状が現れる恐れがある

大いに危険
151250

一般の人々の呼吸器に疾患が明らかに増える

危険
66150

一般の人々の呼吸器に症状が現れる

弱者に危険
4165

感受性の高い人の呼吸器に症状が現れる

許容範囲内
1640

特別に感受性の高い人の呼吸器に症状が現れる

良好
015

空気の質は良好で、健康の危険はほとんどない


 



「タバコの真実」その38  2011.6.30.村田祐一

禁煙を勧めるときはやさしく!病人に接するがごとく。

先ず、ニコチンについて再度勉強しましょう。以下ウイキペディアを参考にしました。

ニコチン (nicotine) はアルカロイドの一種であり毒物および劇物取締法に毒物として指定された物質である。天然由来の物質であり、即効性の非常に強い神経毒性を持つ。半数致死量は人で0.5mg〜1.0mg/kgと猛毒で、その毒性は青酸カリの倍以上に匹敵する。ほぼ全ての生物に対して毒性を発揮する為、殺虫などの用途で使用されている。しかし人間に対しても毒性を発揮する為、近年は害虫などに対してのみ選択的に毒性を発揮するよう改良されたネオニコチノイドなどが開発され使用されるようになった。ニコチンは主に中枢神経および末梢に存在するニコチン性アセチルコリン受容体 に作用することで薬理作用を表す。そのうち、特に依存性の形成に関与する部位として中脳辺縁系のドパミン神経系が挙げられる。このドパミン神経系は「報酬系回路」として知られており、快の感覚を個体に与えるため、強化行動をひき起こす。この中脳辺縁系のドパミン神経の興奮を介した依存性の形成メカニズムは他の依存性薬物(コカイン、ヘロイン、アンフェタミンなど)と同じとされるが半数致死量の低さと他細胞系への薬理作用の点から、麻薬とはされておらず、毒物に指定されている。末梢においては、中枢神経からの間接的な作用と、末梢のニコチン性アセチルコリン受容体に作用することで毛細血管を収縮させ血圧を上昇させ、縮瞳、悪心、嘔吐、下痢などをひきおこす。中毒性があり、通常量でも頭痛・心臓障害・不眠・苛立ちを感じるなどの症状、過量投与では嘔吐、振戦、痙攣、死亡を起こす。乳幼児ではニコチン量で10〜20mg(タバコ0.5-1本)、成人は40〜60mg(2-3本)を、直接、溶液で飲下した場合に急性中毒に達する(急性致死量)。軽症では嘔気やめまい、脈拍上昇・呼吸促迫などの刺激・精神の脱抑制や興奮症状がみられる。重くなると、徐脈・けいれん・意識障害・呼吸麻痺などの抑制症状が見られる。嘔吐は 10〜60分以内、中毒症状は2〜4時間の間にほとんど現われ、誤食による中毒症状の出現頻度は、軽い症状も含めて14%程度とされる。
以上からお判りのようにタバコが止められないのは「褒賞系回路」が働き麻薬作用によるものだとご理解していただけたでしょうか。それゆえ病人に接するように禁煙を勧めなくてはいけないのです。ニコチンの毒性が青酸カリの倍以上とは改めて驚きですね!!1年間「タバコの真実」読んで頂きありがとうございました。今後は臨時便で掲載していく予定です。




「タバコの真実」その37  2011.6.23.村田祐一

タバコの依存度テストをしてみましょう






以前からお話ししていますが、タバコは本来美味しいものではありません。タバコをやめた人は「なんで、こんな不味いものを以前は吸っていたのだろう?」

ニコチン中毒で吸わないといられない体にされていただけなのです。試しにニコチンが体に入っても脳に作用しない様にブロックしてしまう薬(チャンピックス、医師の処方が必要)を飲んでみてください。タバコを吸っても美味しく感じません。不味いだけです。お金を掛け、健康を害して、時には周りの人に迷惑をかけるのがタバコの真実です。禁煙して、健康体になり無駄なタバコ代(1日500円だと1年で約20万円)を有効に利用してください。




「タバコの真実」その36  2011.6.16.村田祐一

禁煙と継続のコツ

舘ひろし氏が禁煙に成功したことを前回お伝えしました。我もと思われる方そのコツをお教えします。

禁煙を思いたったら禁煙開始日を決める。禁煙を周囲に宣言し、禁煙宣言の紙を目立つところに貼りつけ禁煙の決意を周りに示す。決意を示すことで悪友が邪魔をするかもしれませんが、応援者も増えますし自分の励みになります。日々の禁煙行動をメモすることでますます決意が強固になります。宴会では喫煙者のそばを避ける。お酒が入るととても吸いたくなるので特に注意してください。吸いたくなったら気分転換を図る。例えば、朝起きたら直ぐに、食後にもタバコを吸う時間を与えずに歯磨きをする。たばこで害されていた歯の健康にも良い。歯医者さん営業妨害してごめんなさい。仕事が一段落したら軽い体操をする。肩凝りにも良い。タバコを止めるとこれまで痛められていた胃を始め体の臓器が健康を取り戻し始めます。食事がとても美味しくなります。ついつい食べ過ぎになります。何か運動を始めてください。散歩でもOKです。太りすぎの予防になります。益々健康体になります。禁煙がうまくいったら、節目節目(1週間、1月、3月など)に自分にご褒美をあげる。禁煙を応援してくれる人に機会があるごとに褒めてもらう。タバコを勧められた時の上手な断り方を前もって考えておくとよいです。タバコを再び吸いやすい状況を前もって予測し対策を立てておく。人間そんなに意志の固い人は多くありません。禁煙に失敗しても「自分はなんて意志が弱いんだろう」などと落ち込まない。失敗は成功の基と考え、なぜ失敗したかを考え今後の参考にする。7転び8起きと前向きに考える。喫煙していた時の朝の嫌な咳、喫煙場所を探す苦労などを思い出し、現在の健康とこれからのますますの健康をイメージしてください。できるだけ応援してくれる家族、友人を多く頼んでおく。できれば主治医にもお願いすると良い。
以上 厚労省のHPを参考にまとめました。




「タバコの真実」その35  2011.6.9.村田祐一

舘ひろし氏が禁煙に成功しました!!
一昔前、タバコは恰好良い小道具の一つでした。舘氏もその恰好良い中の一人に数えられています。しかし、製薬メーカーのファイザーの禁煙ポスターに登場し、禁煙を宣言します。自身の健康のため、周囲の健康のため。健康を気遣ってくれる人に心配をかけないため。喫煙歴40年、実生活でも何度も禁煙に挑戦しながら失敗してきた舘ひろしさんが、医療機関に通院し禁煙に成功しました。詳しくは「舘ひろしさん禁煙の記録」で検索ください。今日では喫煙はお金を払って健康を害する「恰好悪い」ことです。次に禁煙に成功した人の話を紹介します。「禁煙で太ることを気にしていたのですが、イライラして間食が増えることもなく、体重はほとんど変わっていません。タバコの臭いにとても敏感になりましたね。エステティシャンという職業柄、喫煙していることに後ろめたい気持ちはありましたが、タバコの臭いをさほど気にしていませんでした。喫煙している人のタバコの臭いに気づいて、自分もそうだったのかと気づかされました。」以前にも書きましたが、禁煙をしようと思う方、医師の診察を受けチャンピックスという薬の服用してください。約60%の方が禁煙に成功しています。今年の禁煙月間に合わせて軍団の人たちも禁煙に踏み切りました。世の中はタバコの害をなくする方向に向かっています。喫煙されている方今一度「禁煙」について考えてみてください。

一部ファイザーの記事を載せさせて頂きました。




「タバコの真実」その34  2011.6.2.村田祐一

タバコの害のおさらい
 タバコの真実を書き始めてもうすぐ1年間になります。今回は復習編です。決して復讐編ではありません。タバコの害についておさらいします。
タバコには判っているだけでも200種以上の有害物質が含まれています。代表的なものとして、1)血管収縮作用と依存症をきたすニコチン 2)様々な癌を生じさせるタール 3)酸素運搬を妨げ運動能力の低下をきたし、どろどろ血にする一酸化炭素。ドロドロ血は血管収縮作用と一緒になって心筋梗塞、脳梗塞をおこします。有害物質にはダイオキシン、ヒ素、カドミウム、ベンツピレンなども含まれます。これらの毒物は気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、生まれてくる子供の知能低下、精神疾患(学校破壊の原因の一つになっている注意欠陥障害など)といった健康および精神障害を起こします。これらの被害は喫煙者本人はもちろん、その周囲にいる間接喫煙者にも及びます。 環境への悪影響として、火事、ゴミ、小さな子どもの誤食の原因の1位がたばこです。波打ち際の打ち寄せられたごみを覗いてみてください。腐らないタバコのフィルターが沢山見られます。このフィルターが死んだ海洋生物の消化器官から見出されています。




「タバコの真実」その33  2011.5.26.村田祐一

なろうと思えばなれる肺がん!と肺気腫!

タバコを1日に1箱吸っている人は1年に約200mlあまりのタールを肺に流し込んでいると計算されます。一度に流し込まれたら窒息死しますが、体は健気にも毎日毎日入ってきたタールを押し戻しています。それでも少しづつ蓄積されていきます。そして肺を蝕んでいきます。肺気腫は肺胞が破壊され、酸素交換作用を阻害される病気です。症状が進むと少し体を動かすだけで息苦しさを感じます。ロータリアンの中にも壇上でお話をされる重鎮の中にゼコゼコしながら話されている方が罹っていると思われます。重くなると夜寝るときに酸素ボンベが必要になることもあります。この症状は確実にタバコを吸っている限り一歩一歩悪化します。肺がんになった人の4分の3がタバコが原因ですが、茹でガエルになって気がついたらゼコゼコ状態のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)も恐ろしい病気です。以前にも話しましたが、ブリックマン指数、一日に数タバコの本数×喫煙年数で表します。その指数が400以上:肺がんが発生しやすい  600以上:肺がんの高度危険
群  1200以上:喉頭がんの危険性が極めて高くなる となっています。喫煙者の皆様ご留意ください。


「タバコの真実」その32  2011.5.19.村田祐一

今回は肺がんになると医療費はいくらかかるか?肺切除術を含めて初めの4月間に約320万円かかると試算されます。内訳は最初の月は手術費144万円と検査その他、翌月は検査、薬の費用など約80万円、3,4月目が各20万円。自己負担は?月に10万円くらい。高額医療費のため280万円は戻ってきます。還付金は国民の税金から。明らかに「体に悪いこと=喫煙」をして、医療費を人よりたくさん使う。どこかの国、確かシンガポールだったと思いますが、健康保険を使用しない分保険金が安くなり、また親族間でその健康保険を使用しない分をお互いに融通し利用できるとの事。とても合理的です。日頃から健康に留意して税金をあまり使わないようにしている人とそうではない人に何らかの差があっても良いと思います。

先日の「地区協」のフリー討論時に「たばこ問題」を取り上げましたが、大震災対応ではぐらかされました。ロータリーの今後の健全な発展を考えるときに避けて通れない問題です。社会奉仕の6つの目標のうちの2つ「疾病予防...」「母子の健康...」に直接、間接喫煙が悪影響を及ぼしています。原発も以前から様々な人たちが警鐘を鳴らしていましたが経済優先で安全性が軽視され、東電では技術畑の人が経営陣からパージされ今回の人災を招きました。また震災義援金を台湾から一番多く頂いている(約160億円)のに、大陸中国に遠慮してあまり大きく取り扱われていません。震災49日の法要に来日されたダライ ラマ氏も同様に取り扱われています。人としての礼儀を失して残念です。炭谷ガバナー時にはイノベ―シオンでタバコ問題もおおいに前進させてください。




「タバコの真実」その31  2011.5.12. 村田祐一

 出前で「禁煙授業」をしています。以前にも取り上げましたが、金沢医療センターの心臓外科医の遠藤先生、石川県職員で元小児科医の沼田先生などが大人の禁煙支援だけでは限界だ!と実感し、新たにタバコを吸う人をなくすれば将来は喫煙者が激減するだろう!と考えて始められた運動です。私も賛同してここ数年、診療の合間を縫って行っています。先日その効果を検証するために中学生にアンケートを取りました。K中学は3つの小学校の卒業生から構成されています。その一つの小学校からの70数人は「禁煙授業」を受けています。当時99%の児童は「将来もタバコを吸わない」と答えていました。さて、2年後の中学2年生では「タバコに対してどのような意識」を持っているか?「禁煙授業」を受けていない他校からの生徒と比較検証しました。
将来タバコを吸うか?の質問には受けた73名では 吸う0名(0%)わからない13名(17.8%) 受けていない56名では 吸う1名(1.8%)わからない12名(21.4%)吸わない43名(76.8%)
2年前の禁煙授業の直後の感想文ではほぼ全員が「将来も吸わない」としていましたが、17%余りが「わからない」と禁煙の意識が後退しています。
知識に関して  タバコの害について  受けた74名では全員理解していました。受けていない56名で知らないが4名(7.1%)いました。
タバコの依存性について  受けた74名では知っている70名(94.6%) 知らない4名(5.4%)
受けていない56名では知っている52名(92.9%)知らない4名(7.1%)
最近は様々なかたちでタバコの害が語られているので、多くの生徒もタバコの知識を持っていました。禁煙授業を受けた人のほうがより多く知識はありましたが、まだ充分ではありません。「教育とは繰り返すこと」、「鉄は熱いうちに打て」等の言葉が思い浮かびました。山野市長になったことで、今年から「タバコの害を教える」事が金沢市の全小学校で行われることになりました。今後さらに「喫煙の害」の知識が広まります。ロータリアンも時代に取り残されないように、できれば分煙から禁煙へと先頭を切って走りたいものです。




「タバコの真実」その30  2011.4.28.

昨年暮れ、H新聞に「ニコチンがアルツハイマー病予防に効果があるかも」との動物実験が紹介されていました。将来は「毒を以て毒を制する」ニコチンを利用した医薬品が開発されるかもとも。これを読まれた喫煙家の方は「わが意を得たり」と思われるかも知れません。しかし、少し冷静に考えてください。たばこにはニコチン以外に沢山の有害物質が含まれています。発がん性物質、動脈硬化など血管を傷害する物質、呼吸器を障害する物質など数えたらきりがありません。アルツハイマーにならなくとも動脈硬化により血管障害性の痴ほう症になる確率が喫煙者には高い。また、喫煙者の平均寿命は短いのでアルツハイマーになる前に死んでしまうのかも知れません。この記事を書いた記者の方はたぶん喫煙者であると思います。自分自身を慰めるような記事を書いたのだと推測します。研究者もアルツハイマーの予防にタバコを吸うのは良くないとコメントしていますが、この項は小さく書いてあります。公平さ、冷静さを要求されているマスコミ人もニコチン中毒に罹っていると、タバコに関しては我田引水する事が判ります。

   

「タバコの真実」その29  2011.4.21.

予言者を信じますか?私は信じます。
例えば、急病人を病院で治療するため、救急車を呼ぶか、自家用車を使って運ぶ場合にはどちらが安全か?を予言できます。どこの病院へ行った方が早く治るかも予言できます。一定の情報に基づき予言する。では、妊娠婦や子供の前でたばこを吸っていると将来子供の知能は?素行は?これまでの「タバコの真実」で予言できますね!

誰もわが子、我が孫を頭の悪い子に育てようとは思わないと思います。しかし、間接喫煙を強いると生まれる子供の知能はこれだけの差が生まれます。たばこには様々な有害物質が含まれているので当然のことだと思います。個々の子供では比べようがないのでタバコの害は今までは不問にされ、無視されていたのだと思います。






「タバコの真実」その28  2011.4.14.

前回は妊婦の喫煙で生まれた子供が将来暴力犯罪を犯す割合が増えることを話しました。同じように注意欠陥多動障害、行為障害も増えることが報告されています。我が子、我が孫を良い子に育てたいならばタバコの間接喫煙に注意してください。





タバコの真実」その27 2011.4.7.

妊婦がタバコを吸うと生まれてくる子供にどんな悪影響をもたらすかについて話します。
妊婦の喫煙本数と男児の将来の暴力犯罪の件数の関係を調べました。
喫煙本数が増えるほど暴力犯罪件数も増えています。
妊婦が直接吸わなくとも周囲の人が妊婦の近くで吸うと間接喫煙により妊婦も吸うことになるので気を付けましょう。





「タバコの真実」その26  2011.3.24

喫煙者のタバコの害について話します。

もう嫌というほど聞きあきたかも知れませんが、見て見ぬふり、聞いて聞かぬふり、はじめから拒絶反応の方。そっと目を明け、耳を澄ましてみましょう。

タバコの害で各種癌、呼吸器疾患、血管の病気で沢山の方がお亡くなりになっています。その原因に占めるタバコの割合を示しています。

タバコの害で各種癌、呼吸器疾患、血管の病気で沢山の方がお亡くなりになっています。その原因に占めるタバコの割合を示しています。

例えば、肺がんの71.5%はタバコによるものです。一日に吸うタバコの本数に吸った年数を掛けた数字をブリンクマン指数といいます。1日20本、15年間ならば、20×15=300となります。400を超えると肺がんが発生しやすくなります。600以上は高度危険群。1200以上は喉頭がんの危険度が極めて高くなります。タバコをやめるとこれらの危険度は年々低下します。

例えば、肺がんの71.5%はタバコによるものです。一日に吸うタバコの本数に吸った年数を掛けた数字をブリンクマン指数といいます。1日20本、15年間ならば、20×15=300となります。400を超えると肺がんが発生しやすくなります。600以上は高度危険群。1200以上は喉頭がんの危険度が極めて高くなります。タバコをやめるとこれらの危険度は年々低下します。




「タバコの真実」その25  2011.3.17

タバコの環境に及ぼす悪影響ほか 「子供には目の高さなの、そのタバコ」

年に何人かの幼い患者さんがタバコを食べたとあわてて来院されます。幼い子どもの誤食の原因の第一位がタバコです。たばこ一本を水に溶かして飲むと致死量になります。幸い、後始末を忘れた吸い殻を口にするため、大事に至ることは稀ですが、ニコチンその他の有害物質により動悸が激しくなり、血管が収縮して蒼白い顔が続き、数時間の間、目が離せません。自身の吸い殻の不始末で子供を辛い目に合わせたと反省して禁煙した学校の先生がいましたが、こんな奇特な方は稀です。「またお宅!前回は爺さんだったけど今回は父親かい!タバコを吸う資格ないよ!」と私の言葉が厳しくなります。バスの停留場も吸い殻にまみれています。近所の方が毎日掃除をしていますが、後を絶ちません。信号待ちの中央分離帯も吸い殻と空き缶で見苦しい限りです。砂浜の波打ち際を見てください。ゴミの中に腐らないで残っているタバコのフィルターが半分近くを占めています。海洋生物が食べて死んでいます。火事の原因の第一位がやはりタバコです。最近は車から火がついたままの吸い殻を捨てる不届き者にも出会います。若い女性に多いようです。何とマナーを守らない喫煙者の多いこと 若い女性に多いようです。何とマナーを守らない喫煙者の多いことでしょう。Y元市長も喫煙マナーを守ることを優先していましたが、未だに歩きたばこで子供達が火傷をしています。マナーだけではもはや限界だと思うのですが皆様はどう思われますか?人通りの多いところは歩きタバコを条例で禁止して欲しいものです。新しい山野市長はこれらタバコの弊害に理解があると聞いているので期待したいと思います。・



「タバコの真実」その24  2011.3.10.

今度の日曜日はPETSです。

その場をお借りして「ロータリアンたるもの他人の健康を気遣い間接喫煙を根絶しましょう!」と呼びかけます。今後とも皆様の後押しよろしくお願いいたします。

その場で完全分煙に向けた資料集をいれたCD−Rを各クラブの次期会長さんに配布する予定です。また、この資料(タバコの真実)をガバナーレターの参考資料にしてレターの一部に書きくわえて頂ければ幸いです。2610地区から、そして日本のロータリーからタバコの間接喫煙を一掃したく思います。
下の図は世界の8大死因を示しています。斜線部分がタバコの関与する部分です。斜線部を全て加えたのが右端の棒グラフです。たばこによる死亡は虚血性心疾患、脳血管疾患に次いで第3位に位置しています。あらためてタバコの健康被害の大きさに気付かされます。
禁煙は愛!
禁煙とチャイルドシートは親の義務  タバコ止め財布は重く身は軽く







「タバコの真実」その23  2011.2.17.

たばこは就活にマイナス?

厚生労働省研究班で「たばこと就職に関する」調査がされました。研究班の溝田友里国立がん研究センター研究員は「採用基準になっていなくても、喫煙は就職に何らかのマイナスの影響を与えていると考えられる」との事。

シアトル大学のワイス教授の研究によると、アメリカでは喫煙者を一人雇用すると年間約55万円が余分に掛かると算出されました。労働時間の損失で1/2。たばこによる本人と周囲の人の健康障害に掛かる医療費が1/3を占めます。その他OA機器や空調の劣化が早くなるなどです。確かに、仕事中に一人抜け出して喫煙所へ、非喫煙者には「さぼり」と映ります。タバコ臭いニオイをまき散らして他人に迷惑をかけ、挙句にタバコ関連の病気で仕事を休み会社に迷惑をかける。など、よほど優秀で貴重な人材以外は会社は採用を控えて当然です。日本の現状は、約30%の人事関係者が喫煙者に対し採用時に明らかにマイナス点をつけています。タバコ臭い身体で面接に現れれば、周囲に配慮できない人と評価され、会社にとっては不要なのです。社員全員が非喫煙者ならば改めて喫煙所を造る無駄な場所と費用がかかりません。



「タバコの真実」その22  2011.2.10.

小児科医の喫煙と禁煙動機のアンケート結果から

10数年前に50数人の小児科医を対象にタバコに関してアンケートを取りました。タバコを過去に吸っていた人は約半数いました。いまだに禁煙できない人は2名でした。辞めた方の理由を聞くと以下の様でした。嫁にお父さんの車はタバコ臭いから一緒に乗りたくない。自身がタバコ関連の病気(心筋梗塞、脳卒中、呼吸器疾患など)になり止めた。喫煙する友人が肺がんで亡くなった。開業するにあたり患者さんに示しがつかないので。医者ともあろうもの、体に悪いものは止めねばなるまい、人に言われてからだと癪だから、などなど。現在だとタバコ代が値上がりするからが加わるかも。昨年10月の値上げ以来沢山の方が禁煙しています。先日「出前で禁煙」の授業に行った中学の校長先生が値上げを機会に禁煙された旨話されました。

「タバコ止め財布は重く、身は軽く」という川柳もあります。



「タバコの真実」その21  2011.2.3. 村田祐一
 
今を去ること40年、学生時代は麻雀とタバコがつきものでした。悪友は、私がタバコの煙が苦手なのを知っていて、私が調子に乗ってくると決まってプカリと煙攻撃。すぐに調子は下降線。小児科医になって医局でのカンファレンスは苦痛の時間でした。勉強が嫌だったのではなく、カンファレンスの狭い部屋に医局員がぎっしり入り、タバコの煙で前の黒板が霞んでしまう!目は痛い、喉がかすれる、咳込む、まさに非喫煙者には拷問の時間でした。ある時に勇気あるK先輩が教授に掛け合って、カンファレンス時は禁煙になり地獄の時間は無くなりました。タバコを吸って煙攻撃をしていた先輩はその後脳梗塞になりましたが、幸い軽くて回復しました。それを機会に禁煙したと風の噂に伝わってきました。他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の影響で病死する人は、肺がんと心筋梗塞などの虚血性心疾患だけでも毎年6800人に上るとの推計を、国立がん研究センターが発表しています。このうち3600人は職場での受動喫煙が原因で、研究者らは「職場や公共の場所での全面禁煙を法制化すべきだ」と訴えています。国内の非喫煙者のうち、職場で女性の18%と男性の29%、家庭で女性の31%と男性の6%が受動喫煙している。こうしたデータから、受動喫煙が原因の死者は、肺がんが女性1500人と男性650人、虚血性心疾患が女性3100人と男性1600人と推計されています。(一部読売新聞の記事から引用しました)



「タバコの真実」その20  2011.1.20.

「禁煙」と言われる内は愛がある 

禁煙外来を始めるにあたり一酸化炭素濃度測定器具が必要になり購入しました。タバコは不完全燃焼をするので、一酸化炭素を同時に吸入します。呼気中の一酸化炭素の量からタバコの吸入量を間接的には計る器具です。往診に行くある家庭では常にヤニ臭いので、ある時、タバコを吸わない主婦の一酸化炭素を測定しました。なんと中程度の喫煙者と同等の測定値を得ました。家族の間接喫煙の典型です。この結果をご主人に提示したところ夫婦げんかに発展してしまいました。(;一_一) しかし、その後数ヶ月後にご主人は禁煙に成功しました。雨降って地固まる。(*^_^*)話した甲斐がありました。

スコットランドで2006年に施行された公共の場での禁煙法により、重度の小児ぜんそく発作数が年間18%も減少しました。禁煙法に批判的な人達は公共の場で吸えなくなると家庭で吸う機会が増えて子供達のリスクが増えるだろうと予想しましたが、みごとに外れました。間接喫煙の害に我が子まで巻き込まないでおこうという親の意識が働いたのでしょう。同時にバーで働く人の呼吸障害も減少しました。



「タバコの真実」その19 2011.1.13.

新しい年を迎えて、今年もよろしくお願いいたします。
新年にあたり「タバコの歴史」をみていきましょう。
  タバコはナス科タバコ属に分類され、南米アンデス高地で誕生したとされています。マヤ文明が繁栄していたころ、メキシコの中央高地のアステカ族では、タバコは神事祭事の折に神々に捧げる香として、戦勝祈願や予言、占いの折の供物として、病気治療の医薬として用いられていました。1492年コロンブスの(西洋文明から見た)アメリカ大陸発見によりタバコは梅毒と共にヨーロッパにもたらされました。その後日本にたばこが伝来したのは16世紀の末です。ヨーロッパ人は、医学が有効な治療法を確立できていなかったペストの大流行(16世紀後半〜17世紀中ごろ)時などに、新世界からもたらされた未知の植物であるタバコは、その効力はともかく、またたく間に万能薬に祭り上げられてしまいました。タバコに含まれるニコチンの依存性が、さまざまな意味で人類を虜にし、タバコの浸透を助けたと言えます。18世紀に入ってもタバコは依然として、医療目的ないしは病気の予防のためという理由に大いに支えられていました。19世紀後半には一種の職業病と考えられていた肺がんは、1930年代に入ると英国や米国、ドイツの学者らによって喫煙との関係が指摘されるようになり、50年代に研究が急速に進展しました。その結果、60年代前半には喫煙と肺がんの因果関係について、英米において公式な報告書が出されるに至ったのです。そして今日では、喫煙は“喫煙病(依存症+喫煙関連疾患)”という全身の病気であると認識されるようになり、治療が必要と判断される様になりました。 

 
タバコの真実」その18 2010.12.16

中学生から祖父母と一緒に暮らすようになり、父母、妹と私の3世代で過ごしました。
祖父母は大和風呂でキセル煙草、父は紙巻きたばこを吸っていました。
夜になると人が集まる家だったので茶の間はいつも紫煙が漂っていました。
 年末になると大掃除をしますが、障子をはじめ到る所がタバコのヤニで茶色でした。このヤニ汚染について母は掃除が大変だとこぼしていました。
 その頃はタバコの害についてはほとんど知られていなく、医者の祖父も無頓着に吸っていました。私が医学部に進学し、公衆衛生の授業ではじめてタバコが肺がんの原因になることを知りました。それ以来父に禁煙を勧め、10年くらいかけてようやく禁煙にこぎつけました。完全に禁煙できたのは孫が出来た頃だったと思います。その後、70歳過ぎに父は胃がんで手術を受けます。術後に気管内挿管を抜くのが、かなり遅れました。タバコで肺機能が低下しているためだと言われました。胃潰瘍の40%、胃がんの25%はタバコが原因です。肺気腫、気管支拡張症の約半分はたばこが原因で呼吸機能の低下をきたします。もっと早くに禁煙できていればと悔やまれます。喫煙者の皆様、自身の健康のため、家族に心配をかけないよう、新年を迎えるのをきっかけにご禁煙しましょう。


「タバコの真実」その17 2010.12.9
 
「少年スポーツとその指導者の喫煙の多さについて一言。」

 サッカー、野球など少年スポーツが盛況です。スポーツを通じて体を鍛え、礼儀を始め社会性を身につけることはとても素晴らしい事だと思います。しかし、少年たちを指導するコーチにタバコを吸う方が多いのに驚いています。学生時代に仲間やコーチの影響で、ちょい悪気分で吸い始めたタバコの虜になったのでしょう。彼らの中の何人かはタバコを吸わなければ運動能力が低下せず、一流の選手になれたかもしれません。一方、少年たちはコーチなど指導者への憧れがあります。彼らが喫煙することにより「喫煙はカッコイイ」と思い将来の喫煙予備軍を作ることにならないかと心配です。スポーツを通じた喫煙習慣の悪循環を断ちたいものです。また指導者からの間接喫煙も憂慮されます。北山先生をはじめスポーツ医学の専門家の皆様も機会ある度に指導者講習会を通じて警鐘を鳴らしているとの事です。ロータリアンも何かお手伝いができればよいと思います。 


「タバコの真実」その16 2010.12.2

スポーツとタバコの関係について
 
赤血球中に含まれるヘモグロビンは、酸素の運搬を司ります。この赤血球=ヘモグロビンを増加させる方法に、高地トレーニングが知られています。これは標高が高いところでトレーニングを行うことにより、低酸素状態に体をさらして、赤血球の産生を増やすのが目的です。同時に、肺での酸素の取り込み効率も良くなります。この事で運動能力が高まります。一方、タバコを吸うと一酸化炭素も同時に体内に入ってきます。この一酸化炭素はヘモグロビンに結合する能力が酸素の約1000倍もあります。そのためタバコを吸っている人は酸素欠乏状態になり運動能力が落ちます。それを補うため赤血球=ヘモグロビンが多くなります。しかし赤血球があまり多くなりすぎると、血液の粘性が高くなり、いわゆるドロドロ血になります。ニコチンの血管収縮作用と重なり細い血管が詰まってしまう可能性が高まります。心臓や脳の血管が詰まると、後遺症が残ったり、急死する危険性が高まります。
 健康はもちろん、運動能力を最大限に保つため、松井秀喜 イチローなどの一流のアスリートはタバコを吸いません。


「タバコの真実」その15 2010.11.25

私より少し年配の女性の患者さんの話です。病院で診てもらっていたのですが時間がかかるので、近所の当院で肺気腫のお薬を出してほしいと言われ処方しています。肺気腫の原因は以前に吸っていたタバコですが現在は止めています。ご主人がヘビースモーカーでしたが今は亡くなっています。肺気腫は一進一退です。年に1−2度肺炎になります。しかし、禁煙しているのに?時々タバコの臭いがします。

子供達が夫の影響でヘビースモーカーだと判りました。子供達は母親に対する間接喫煙には無頓着です。一緒の部屋で平気で吸って肺気腫の母親に間接喫煙を強いています。さらに話を聞くと子供達とパチンコにしばしば行くとの事です。禁煙台はあるそうですが、子供達と一緒に居たい、一緒に楽しみたいので喫煙OKの場所でパチンコすることが判りました。家族との絆か自身の健康かそれが問題だ!対応は困難です。お孫さんも当院に掛かっておられ、よく風邪をひきます。間接喫煙は呼吸器の病気にかかり易くすることが判っています。

米国では、親の喫煙が原因で年間20万件を超える小児喘息発作が発生していると推測されています。

喫煙するご子息に知って欲しいのですが来院しません。来院した時にいかに対応しようかな?!作戦会議を!


「タバコの真実」その14 2010.11.18

妊婦さんがタバコを吸うと胎児に様々な悪影響を与えることが知られています。発育不良、知能の低下、様々な奇形の増加。成長に従いキレやすい性格、各種の学習障害の増加等々です。また、超音波で胎児を観察すると、妊婦がタバコを吸う度に胎児は息を止めるのが観察されます。
  では妊婦だけ吸わなければ良いのでしょうか?忘れがちなのが妊婦さんの近くで喫煙すると妊婦さんを通じて胎児にも間接喫煙の害が及びます。沢山ある害の1つに胎児期に間接喫煙した男児は成人した時に暴力犯罪を起こす確率が高くなると報告されています。1日20本以上で約2倍も多くなるそうです。妊娠中に20本タバコを吸っていた妊婦と吸わなかった妊婦から生まれた子供を比べると知能指数が平均約6ポイントも差がつきます。わが子の健やか発育、発達を願わない親はいないと思います。妊娠を機会に家族みんなで分煙を徹底して欲しい。できれば皆で禁煙すると良いですね。タバコ代もばかにならないですよ。1日400円、一か月に一万二千円。年間14万4千円、使わずに済んだタバコ代で楽しく旅行や外食ができますよロータリー財団や米山奨学金に寄付できますよ。健康体になって社会奉仕ができるなんて素敵ですね。


「タバコの真実」その13  2010.11.11

人間ならば誰にでも全てが見えるわけではない。多くの人は自分が見たいと欲することしか見ていない。カエサル
指導者に求められる資質は次の五つである
      知力。  説得力。 肉体上の耐久力。 自己制御の能力。 持続する意思。
カエサルだけが、この全てを持っていた。     イタリアの高校教科書より
 塩野七生氏「ローマから日本が見える」集英社より
  各界の指導的立場にあるロータリアンの皆様、タバコ問題も知的科学的に考え、自己および他人も良い方向に説得し、自己の肉体に良いことを率先して行い、誘惑に負けず自己コントロールし、良いことは持続して行いましょう。
 「俺んとこの爺さんタバコ吸っていたけど80過ぎまで生きとったは、おれも一緒でタバコに強い身体やと思うしタバコ止める必要ない」などと自分に都合のよいことだけを思い抱いているそこの方、息切れが年々ひどくないですか?
 人前で話すときゼイゼイと話していませんか?そうなっているなら肺気腫になっています。知らず知らずに症状が進んで、茹でガエル状態です。どうしても禁煙できないなら、せめて周囲の人に配慮してマナーを守ってくださいね。


「タバコの真実」 その12  2010.11.4

「金かけて シミ しわ 白髪 やがて癌」

前回はタバコを吸ってもおいしく感じなくする薬の話でした。禁煙するにはニコチン依存と心理依存の2つの依存症を克服する必要があります。今回はタバコの心理的依存症について話します。

口寂しいからタバコについ手がいく方、赤ちゃんのおしゃぶりに似ています。目覚めの一服、食後の一服、暇を持て余す、仕事の区切り、間が持たない。など喫煙が生活の一部になっています。

生活習慣を見直すことが大切です。口さみしさを上手にしのぐ為、タバコが欲しくなったら、干し昆布、ガムなどを噛む。ガムは虫歯予防を兼ねてキシリトール入りがベター。暇を持て余す方には毎日、無理なくできる散歩や運動を続ける。運動は今までタバコで荒れていた胃が、本来の健康状態に戻り食欲が増進し、体重増加する事の予防にもなります。目覚めの一服の代わりに顔を洗い、軽く体操をする。食後の一服の代わりに歯を磨く。食後できるだけ早く歯を磨くと歯周病の予防にもなります。仕事の区切りには軽い体操をする。肩凝りの予防にもなります。禁煙とこれらの生活習慣の見直しによりどんどん健康体になります。タバコを吸っていた時の朝の不快な吐き気、咳込みが無くなっていきます。タバコの害について自分なりのイメージを持ち、禁煙してよかったことを考えると禁煙がより強固なものになります。仲間に禁煙を呼びかけお互いに励まし合うのも良いことです。しかし、あまり深く思いこまないで、一度でうまくいかなくとも、楽な気持でなんどでも禁煙宣言するのが良いですよ。


「タバコの真実」その11 2010.10.28

さまざまな間接喫煙の害、他人に迷惑かけないで喫煙する場所を探すのも大変だ、タバコ代もばかにならない。いっそのことタバコをやめようと思われた方読んでください。

タバコを止めたいがなかなか止められない。これはニコチン中毒と心理的依存症によるものです。今回はニコチン中毒について話します。タバコを吸うとニコチンが吸収されます。このニコチンは脳に運ばれ「脳内麻薬」を放出するスイッチを押します。「脳内麻薬」が脳に充満し気持ち良くなります。ニコチンが切れるとイライラが募りもっと「脳内麻薬」を!こうしてニコチン依存症が出来上がります。禁煙外来ではニコチン依存度を測る指標を用意してあります。例えば「自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?」など10の質問で「はい」の数が多いほどニコチン依存度が高いと判断されます。ニコチン依存症と判断されると、禁煙に際し2つの方法が選択できます。ひとつは禁煙宣言日から「ニコチンパッチ」を使いニコチンだけを皮膚から摂取し少しずつニコチンの摂取量を減らしていく方法です。もう一つはタバコを吸いながらお薬を飲んでもらう方法です。このお薬は「脳内麻薬」を放出するスイッチに蓋をしてしまいます。タバコを吸っても「脳内麻薬」がでないので、期待に反しちっとも美味しくありません。「なぜこんな美味しくもないものに健康を害してまでお金をかけていたのか」との疑問を持ちます。それにより禁煙の意志がより強固になります。こちらの方が禁煙成功率が高く、無理が少ないようです。次回は心理的依存症について話しましょう。


「タバコの真実」その10 2010.10.21

「タバコ止め孫が抱っこと寄ってきた」

私の外来には気管支喘息を患った子供達が来院します。付添の方に同居している人にタバコを吸う方はいますか?と質問します。同居している祖父母が吸っている場合、「子供の喘息にタバコ良くないと医者から言われたので子供の前で吸うのを控えてください」などと嫁の立場としてなかなか言えません。今度喘息発作起こったら、爺ちゃんに連れて来てもらってください。私から代わりに言いますから。とてもまだるっこい対応になります。「昔は家の中タバコの煙で一杯やったけど俺はこの年になっても元気やぞ」などと抵抗されます。普通、人は自分の都合のよい事しか見ようとしません。周囲を見渡せばタバコで癌、脳梗塞、肺気腫になっている知人友人が沢山いるのに見えない、もしくは無意識に見ないようにしています。お孫さんが喘息で苦しむ姿を直視してください。

次回はニコチン依存症と禁煙の方法について話します。


「タバコの真実」その9 2010.10.14

人前でぷかぷかタバコを吸う方で「俺は国の税収に大いに貢献しているのだ!タバコを吸って何が悪い!」と胸を張っている方がいます。この10月からタバコの値段も一箱100円以上値上がりしました。今回はタバコの経済学について話します。

では、愛煙家の方に、タバコで健康を害し、吸わない人より余計に健康保険を利用していませんか?値上がり前のデータでは年間のタバコ税収とタバコ関連産業の収入が合わせて約3兆円、対して年間のタバコに起因する医療費が約3兆円です。これで帳消しです。さらに、健康を害して仕事を休んでいませんか?仕事時間中にタバコ休憩を取って、労働時間をごまかしていませんか?タバコの不始末で火事、小さな子どもの誤食、歩きタバコでの子供の火傷。ポイ捨てで環境破壊をしていませんか?波打ち際のごみを見てください。腐らないタバコのフィルターが沢山含まれています。海ガメなどの海洋生物が食べて死んでいます。これらの被害を合わせると年間約3兆円の損失です。しかし、外国のタバコ産業の試算ではタバコで早死にすることにより老後の社会保障費が少なくなり、社会保障の手厚い国家ではタバコを吸って早死にしてもらった方が差し引き国の負担が少なくなるそうです。日本は貧しい社会保障なのでどうでしょうか?国民の健康=命を簡単にお金に換算し、働けなくなったらさっさと死んでくれといった国策が良いのでしょうか。しかも吸いたくない他人にまで健康被害を及ぼして喫煙するのか?といった課題が残ります。少なくともマナーを守って他人の迷惑にならないように喫煙してほしいものです。


「タバコの真実」その8   2010.10.7

「子供らの学力下げる副流煙」 村田祐一

大人の禁煙を推進するのはかなり困難です。先進国を見ても喫煙率は20%にまでしか下がりません。ことかようにタバコ問題は難しい。ニコチン中毒は麻薬問題に匹敵します。ここ数年前から「新たに喫煙する人を少なくすれば、いずれタバコを吸う人がいなくなるのでは」との発想から、出前で「禁煙教室」を開いています。対象はこれから吸い始める小学6年生が主。中学生では少し手遅れのようです。小学生高学年にもなると素直によく聞いて、理解してくれます。家に帰り家族にもタバコの害を話してもらえます。時には喫煙家族のかたくなな態度に子供が立ち往生することもありますが、理不尽が世の中の常です。うまく乗り越えて欲しいものです。子供達にはいきなり「勉強しなさい!」と言われたら腹が立つだろう。大人も同じで「禁煙してョ!」といきなり言っては腹立てるのが落ちだから「お父さんが元気でいて欲しいからタバコ止めて」などとやさしくタバコの害を語りかけるように指導しています。

ちなみにタバコに晒された子供達の知能や体力は低い傾向にあります。
禁煙するのはとても大変です。しかし初めから吸わないことはとても容易しいことです。
さてこの壮大な計画がうまくいきますように!


「タバコの真実」その7 2010.9.30 村田祐一
   
 「禁煙に勝る美肌のすべはなし」

先日馴染みの居酒屋さんへ行きました。3人の若い女性がいました。ひっきりなしにタバコを吸っていました。飲み食いすることが少ないので売りあげにはあまり貢献していません。当然こちらに煙が流れてきます。目が痛く、煙にむせてしまいます。当方が困っていても傍若無人の振る舞いです。そうこうするうちに相手の職業が看護師だと判りました。医療に携わる者が周囲に配慮しないで間接喫煙を強いている姿は白衣の天使ではなく、悪魔に見えました。こんな看護師のいる病院には掛かりたくないと思いました。しかし、看護師はとてもストレスの多い職業です。そのため女性の中でも喫煙率が特に高いことが知られています。人々の健康に携わっている人でも一旦ニコチン中毒になると他人の健康を思いやる当たり前の判断ができなくなります。看護協会も頭を痛め、さまざまな対策に取り組んでいます。ストレスはできるだけ上手に減らしましょう。また職場からストレスを少なくする工夫が大切です。ストレスの発散方法を誤った結果の喫煙です。ちなみにタバコはお肌の老化を5年早めます。女性はきれいな肌で吐く息もバラの香りでありたいものです。
禁煙は愛!禁煙とチャイルドシートは親の義務 タバコ止め財布は重く身は軽く


「タバコの真実」その6 2010.9.16 村田祐一

「まだ吸うの、言われる内は愛がある」

JTの陰謀、いかにして喫煙させるか!軽いタバコは本当に体に害が少ないのか??タール、ニコチンの含有量の少ないタバコを求めて吸う方が多いように思います。軽いタバコにはマジックがあります。ニコチンやタールを測定するときに吸い口の近くに外気を多く取り込む仕掛けがタバコにはしてあります。そのため実際よりも薄まった濃度を測定して軽いタバコに見せています。濃度が薄い分、より深く、かつ、ぎりぎり根元まで吸うためかえってニコチンやタールはより沢山体に入ってしまいます。さらにメントールも配合して清涼感を出し吸い易くしています。おまけも欲しくなる様な素敵なものが多く購買意欲をそそります。そんな罠で女性や年少者は簡単にニコチン中毒に罹り、なかなかタバコから逃れられない体になってしまいます。次回はそんな罠にはまった人の哀しくも腹立たしい話を。


「タバコの真実」その5 2010.9.9 村田祐一

「心臓死3倍当たるタバコくじ」

前回は結婚披露宴の席での強制的間接喫煙で窒息死したお話をしました。
  さてお酒が入ると喫煙者の方々はタバコが欲しくなります。マナーを守って会場を一歩出て迷惑がかからないように喫煙して、また会場に戻っていただくと良いのですが、なかなか実践するのは困難なようです。JTもコマーシャルで喫煙は他人の迷惑にならないようにと呼びかけているのですが。
スコットランドでは数年前に人々が集まる場所、居酒屋を含めて禁煙にする法律ができました。その結果、冠疾患(心筋梗塞など)のため救急車で運ばれる方が17%減少し、お亡くなりになる方が6%減少しました。この傾向は非喫煙者により顕著に表れていました。タバコに含まれるニコチンの血管収縮作用で冠疾患をおこします。法律による間接喫煙の防止により冠疾患が減少した例です。知らず知らずにマナーを守らないで喫煙している方々は他人の健康を害しています。当クラブの会員にはこのような方はいませんが、喫煙される方にはぜひ知って欲しいことです。この迷惑喫煙をロータリーの各種会合,特に懇親会から無くさない限り、持病を持った会員は安心して出席できない状態です。つまりは健康不安を持った非喫煙者を間接的に出席出来なくしていることになります。こんな事でロータリーに未来はあるでしょうか?


「タバコの真実」その4 2010.8.26 村田祐一
 
私が何故タバコ問題に取り組んでいるのか?その原点をお話しいたします。
私には尊敬する先輩が何人かいます。その中のお一人の話です。彼は私とは違い大変温厚でかつ人の面倒見の良い方で多くの人に慕われていました。
そんな彼がある時、結婚式の主賓として招待されました。
披露宴が進むにつれ緊張感が薄れ会場のあちらこちらからタバコの煙が立ち上がります。次第に会場はタバコの煙で満たされていきます。
彼の様子が変です。お隣に座っている奥様がそのことに気づかれます。ゼイゼイ、ヒュウヒュウといった音が聞かれます。彼は息苦しそうです。そうです、彼は喘息持ちで、会場に蔓延したタバコの煙で喘息の発作が起きたのです。見かねて奥様が「退席しましょう」とお声を掛けられます。しかし、彼は「主賓の私が退席すれば披露宴に迷惑がかかるから」と退席しません。律儀すぎます。ゼイゼイ、ヒュウヒュウとても苦しそうです。何度も奥様は退席を進めました……。なんとか2時間余りの披露宴を終え待たせてあったタクシーに飛び乗り、病院へ駆けつけます。しかし、玄関先で彼は倒れ込みました。懸命の蘇生術が施されました。しかし喘息による窒息死で帰らぬ人となります。こんな悲しくて、理不尽な事があってよいものでしょうか?これが私のたばこ問題に関わる原点です。


「タバコの真実」その3 2010.8.26 村田祐一

「煙いから喫煙室では吸いたくない」 

 タバコの煙には2種類あります。喫煙者が吸う主流煙とくゆらせタバコから立ち上る副流煙です。さて、どちらの煙に有害物質が多いと思いますか?副流煙が圧倒的に多いのです。喫煙者を観察するとくゆらせた煙を自分自身はできるだけ吸わないように他人の鼻先に向けています。しかも主流煙はフィルターを通して有害物質を漉して喫煙しています。本能的に自己防衛しているようですね。鼻先にたばこを持ってこられた方は迷惑至極です。そんなにタバコが吸いたいのならフィルターの無い両切りタバコにして副流煙も一緒に吸えばよさそうにと思いますがいかがでしょうか。タバコの煙にはあのダイオキシン始め発がん物質の代表のタール、麻薬同様の依存性をつくるニコチン、酸素運搬能力を低下させる一酸化炭素など判っているだけでも400種以上の有害物質が含まれています。当然、当クラブの会員はマナーを守られて吸っておられます。ロータリアンで喫煙する方は率先して周囲の人に気を配ってほしいものです。それでこそロータリーです。


「タバコの真実」その2 

「止めてやるこれ吸ってから止めてやる!」

喫煙者でこれまでに「タバコを止めたい」と思ったことがある人は60%以上になるそうです。しかし、一度ニコチンの虜になると麻薬作用でなかなか止められません。そのような依存症を相手にどのような忠告も「のれんに腕押し」です。下手に本人の健康を気遣って忠告しても逆恨みされかねません。さて、隣で迷惑喫煙をされた時にどのように断れるでしょうか?相手が上司、部下について調査したものがあります。断れないとしたものが上司相手では41%、一方、部下では6%となっています。「スモーク ハラスメント」が成り立っています。ガバナーといえども重鎮にモノ言える方は少ないのではと思います?しかし、ロータリアンは基本的には平等です。まして他人の迷惑を顧みない方を重鎮として尊敬できないと思います。私の話で「飯がまずくなった」重鎮の方は今一度お考えくださるようにお願いいたします。重鎮のお一人のIさん、前ガバナー補佐はヘビースモーカーですが、会合でお会いしても、「お前さんのおかげで会場内では吸えないな、外行って吸ってくるよ」と配慮して頂いています。尊敬できるロータリアンの鏡と思っています。この事を理解して頂けた前ガバナーの中川氏は地区協議会の壇上から「ロータリーのあらゆる会合から間接喫煙の害をなくすよう」呼び掛けていただけました。仲間の健康を気遣えないロータリアンには未来は無いと思います。
禁煙は愛!
禁煙とチャイルドシートは親の義務
タバコ止め財布は重く身は軽く   村田祐一


「タバコの真実」その1 
炭谷ガバナー就任まで1年を切りました。
ロータリーからも「間接喫煙」の害をなくするために角谷ガバナーと共に働き掛けたいと思います。それで、百万石RCの会員の皆様にも判っているようで知らない「タバコの真実」についてお話していこうと思います。

「吹きかける煙で子供の胸が病む!」

私の職業は小児科医です。時には、外来にタバコくさい臭いをした付添の方が見えられます。患者さんの子供は気管支喘息です。アメリカの統計では喘息の小児にいかなる治療をしても両親がタバコを吸っていると改善率は低く27%にすぎない。しかし、両親が禁煙すると改善率は90%になると報告されています。無意識の虐待行為です。「無知の罪」です。時にはタバコの不始末で赤ちゃんがタバコを誤って食べたと走り込まれます。自身のタバコを始末できない方にタバコを吸う資格はありません。「子供には目の高さなの、そのタバコ!」歩きたばこで火傷をさせられた子供も来ます。小児科医の仕事の1つは物言えぬ子どもに代わって大人に発言することです。体がいくつあっても足りませんが、これからもめげずに発言していこうと思いますので、皆様応援お願いいたします。





それでこそロータリー